野崎雅光、孤高の闘い、またも幻となったメキシコ第２戦

　７月１７日（土）メキシコ、シナロア州のマサトランにて行なわれた試合でアンダーカードに出場予定だった日本スーパーフライ級７位”八王子の小天狗”野崎雅光選手のメキシコ進出第２戦はまたも当日のキャンセルとなってしまいました。

　　野崎雅光、孤高の闘い、またも幻となったメキシコ第２戦


（撮影：こんどうさん）

　やはり他国で、今まで例にない形で、ボクシングのキャリアを進めて行くのは大変な事なのかもしれません。

　この日の試合キャンセルは、当日に相手選手の体調不良でドクターストップとなったようです。

　しかし、野崎曰く、今回は確かに相手の姿は確認したようですが、体調が悪いようには見えず、笑いながら試合を観戦していたとの事です。

　日本のボクシング界の常識で考えれば、それはありえないことであり、しかしまた、それが海外では時として起こりえる事なのだとも思いました。

　それでも、この現実を受け入れ、この国のやり方に適応していかなければならないのだと思います。その先に目指すべき大きな目標があるからです。

　ここで諦めるのは簡単な事ですが、そんな簡単な思いでメキシコまで勝負をしに来た訳ではありません。

　ジムの姿勢を、ボクサーとしての生き方を体現するような、そんな決意を持って、八王子中屋ジムは野崎雅光をメキシコに送りました。

　そんな中、野崎は言葉も満足に通じない、初めての土地で懸命に集中してくれているのだと思います。これは経験したものしか分からない、本当にタフな事なのです。

　しかし、そんな彼にも多いに改善しなければならないものがある事も確かです。それはコミュニケーションを自分でもしっかりと取れるようになる事、言葉を覚え、自分の言いたい事をしっかり伝える事です。

　練習に、言葉に、と大変な事ではありますが、海外に出たアスリートでこの壁を越えず、成功した選手は一人もいません。

　もし野崎がこの面でも大きく成長出来たなら、それこそ彼は自分の力で道を切り開いた証明の一つともなるでしょう。

　しかし、まだ今の彼には多くのサポートが必要でもあります。見えない、色々な形で今も彼は様々な支援、サポート、応援を受けているのです。

　そのようなものを与えてくれている人達の為に、彼はいったい何が出来るのか？

　それは試合で結果を残していく事であり、その為に日々の”練習”と”勉強”しっかりと行なう事。日々逞しく生きていく姿を見せる事が何より大切なのだと思います。

　だからこそ心と身体を作ってくれた彼が試合を行なえるよう、ジムは必死で彼をサポートしなければならないのだと、今回改めて思いました。

　彼は早くも地元グアダラハラに戻り練習を再開したとの事です。

　逞しく日々戦っている野崎雅光を、これからも皆さん応援よろしくお願い致します！